ホーム > 同窓会 > 俳句同好会 > 2023/07/08 第26回「蘇鉄の会」ご報告&次回第27回開催のご案内
(2023/07/13) 担当:長尾 小百合(事務局・会計担当 30期)
担当:長尾小百合(事務局:30期)
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俳句同好会 第26回「蘇鉄の会」報告
令和五年七月八日(土)
江戸時代に発祥をもつ花園「向島百花園(墨田区)」内の御成座敷にて、第26回「蘇鉄の会」を開催いたしました。句会を終えたあとは園内を散歩。オミナエシやキキョウなど、早くも秋の兆しあり。点在する句碑にも足を止め、風情を楽しむひと時を過ごしました。
今回の投句参加者10名(含む講師)、投稿句は全40句でした。
ご挨拶:長島公子さんから、事務局を引き継ぐことになりました長尾小百合と申します。今後はこちらのブログへの投稿も担当させていただきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。長島さんには、長い間事務局を務めていただき、大変なご尽力とご貢献をいただきましたことに深く感謝申し上げます。
兼題:「噴水」一句
季題:三句
■城下洋二先生投句
【選句と選評】 講師 城下洋二先生
≪兼 題≫「噴水」
<特選>
噴水の止まりしのちの高さかな 博石
噴水が止まった瞬間、今まで吹き上げていた空の高さに
改めて気づいたという、写真とは違う、俳句でしか
表現できない一瞬を切り取っていて、素晴らしい。
<並選>
噴水や水玉光りてシャンデリア まさ
中七の「水玉光りて」とすると説明的になるので
「光る水玉」とすると中七以下
3,4,5,と句にリズムが出てきて、説明的でなくなる。
(参考)噴水や光る水玉シャンデリア
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≪当季句≫(夏)
蛍狩りつなぐ老母の手の細く 小百合
蛍狩りの暗がりで久しぶりに母の手を取った時、
いつの間にか年老い、細くなった母の手に驚いたという句だが、
母の老いを手の細さで具体的に表現したところがいい。
中七の「つなぐ」より「取りし」としたほうが
瞬間の情景となるのではないか。
(参考)蛍狩り取りし老母の手の細く
緑陰に沈みて深き息を吸ふ 真智子
感覚的な句だが、緑陰の感じがよく出ている。
紫陽花や論語繙く雨の午後 博石
晴耕雨読でしょうか。
論語という古典と紫陽花の取り合わせがうまい。
夏空やテニス大会日曜日 良
所謂三段切れとなって、句のリズムがぎくしゃく
しているので、語順を変えたほうがよい。
(参考)日曜のテニス大会夏の空
梅雨寒や友と熱燗長談義 徹
熱燗と梅雨寒と季跨りになっているが、
梅雨寒の季語の方が主となっているので
この句の場合問題がない。旧友とのしみじみとした
交流が目に浮かぶ。
雨ごとにぐいぐい伸びる葡萄蔓 真砂
梅雨どきの葡萄の生命力を素直に表現している。
雲の間に大山蓮華開かんと 博石
純白の大山蓮華のつぼみが曇天に凛と咲きかけている
情景が目に浮かぶ。青空でなく曇り空としたことで
余計風情が出ている。
我が庭の主と成りに来若き蟇蛙 真智子
若い蟇蛙が庭の主になり来たと言いたいのだろうが、
表現が窮屈。ここは蟇蛙が庭の主になったと
言い切ったほうが表現に無理がない。
(参考)我が庭の主と成りたる若き蟇
梅雨晴れ間ボタンクサギの紅つぼみ 龍彦
情景は良く見えるが、クサギは実も花も秋の季語。
花の名前は季語であることが多いので注意が必要。
緑なす木漏れ日浴びていで湯かな 南行
「浴びて」が少し説明的なので、
「揺れる」として風の感じを出したほうがいいのではないか。
(参考)緑濃き木漏れ日揺るるいで湯かな
第26回「蘇鉄の会」互選結果 ( )内数字は得票数
兼題「噴水」
噴水に悲鳴飛び出すガードマン 真智子
噴水や地上か地下か待ち合わせ 良
噴水の止まりしのちの高き空 博石 (3)
噴水のダンスにしばし時忘れ 小百合 (1)
噴水や正にショウなりラスベガス 徹 (1)
噴水や繰り出す水技昼も夜も 龍彦
舞い踊る噴水しぶき堀の中 南行 (1)
噴き上がる水に燥ぐや子らの声 真砂 (3)
当季句
∞(無限大)に三回くぐりし茅の輪の懐かしき 真智子(1)
鐘響く亀が昼寝の菖蒲園 博石 (3)
蛍狩りつなぐ老母の手の細く 小百合 (3)
梅雨寒や友と熱燗長談義 徹 (2)
梅雨さなか傘の花咲くゼブラゾ~ン まさ (1)
青梅の三つ四つ落ちて猫止まる 龍彦 (2)
雨上がり蒼天仰ぐ木槿かな 南行 (1)
雨ごとにぐいぐい伸びる葡萄蔓 真砂 (1)
緑陰に沈みて深き息を吸う 真智子 (2)
日が落ちて夜空に上がる花火かな 良
雲の間に大山蓮華開かんと 博石 (1)
久方の帰省の庭に瓜簾 小百合 (2)
種と人絆を結ぶ夏野菜 徹
街燈の灯りに滲む虹の色 まさ
柿若葉煎茶のかほり肩ゆるむ 龍彦 (1)
烏鳴く姫紫陽花が咲いた朝 南行
賑わいの土曜夜市や大街道 真砂 (1)
我が庭の主と成りに来若き蝦蟇 真智子
夏祭り夜店賑わい老夫婦 良 (1)
紫陽花や論語繙く雨の午後 博石 (2)
遺跡にて草のいきれに過去偲ぶ 小百合
避暑を兼ねゴルフ三昧かの時代 徹
黒南風や湧きてザワザワ吹きにけり まさ
緑なす木漏れ日浴びていで湯かな 南行 (2)
田植え後の水満ち満ちて苗そよぐ 真砂 (2)
第27回「蘇鉄の会」ご案内
開催日時:2023年10月7日(土)11:30~16:30
選評講師:城下洋二先生
御題:兼題「秋麗(あきうらら)」1句(吟行)
当季(秋)雑詠3句 計4句
投句締切:2023年9月30日(土)
投句方法:兼題は吟行となります。
当季雑詠3句につきましては
あらかじめメールにて上記締切までに投稿をお願いします。
下記メールアドレスまでお送りください。
nagao@work21.co.jp
ワード文書でファイル添付又はメールべた打ちでもOK。
開催場所:隅田川散歩(吟行)→芭蕉記念館見学
→森下文化センター(句会)
集合場所:都営大江戸線・半蔵門線「清澄白河駅」改札付近
2023年10月7日(土)11:30集合
当日会費:3,000円(昼食代・会場費含む)
「蘇鉄の会」参加を随時受付けています。
上記メールアドレスにお申込み下さい。
年会費:5,000円(振込先は別途ご案内)
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